鶴ヶ島キャンペインを再開する、第三期である。良くも続くものだ。
今回は海と海賊と予告した、多分に苦し紛れの感がないでもない。それに合わせて、ルネッサンス武器の導入と、スワッシュバックラーの強化を行う。イメージ先行のルーリング。まぁ、今に始まったことではない。


PLは、今回は五人(一人は都合が合わず)
ぼうっと、みんながキャラメイクしてるのを、横で眺める俺。暇をもてあましてはいるが、雑談を始めるとみんなの邪魔なので、ミニチュアの整理に精を出す。
「何時までキャラメイク?」
「みなの気が済むまで」
ルールは16冊ある、大全7冊に種族本3冊*1。能力値はダイスロール、2Lvスタート。今日はほとんど作成で終わるだろう。



オラシオン

トーチポートから南に1600マイル、オルクレア島に向かう航路を、帆船オラシオン号は進んでいた。
乗組員は大別して四つ。
オラシオン号の船員、22名(うち一人はPC*2
・二人組みの冒険者(人間とコボルト
オラシオン号のオーナー、レルモース商会からのゲストと二人の部下。
・PC達冒険者

以下、PCの内訳

ジルコニア ウォーフォージド ファイター/ウォーロック
ジャック・ホライゾン イルーミアン クレリック(ボカブ)2Lv
カイラーヴィン・フィアサル ハイエルフ スカウト2Lv
ケルテン  グレイエルフ  ウィザード2Lv
バロン・ブルーシャーク ヒューマン スワッシュバックラー/ビガイラー


航海の最初こそ、船足の伸びなかったオラシオンだったが、半ばを過ぎた辺りからダイス目の恵まれ、予定より早い期間で目的地に到着しようとしていた。用意していたイベントが丸ごとすっ飛び、あっけにとられるDM*3。あわてて、固定イベントの「海賊襲撃」を引き起こした。


■シャーグリフィン号、襲撃
船足の速いロングシップが島影から進み出て、急接近。船上にはイカツイ男達、ハーフオーガの姿まである。噂に名高い*4海賊船シャーグリフィン号である。
海賊船は素早く接舷すると、三つの渡し板をかけて、乗り込み攻撃を敢行してきた。絵に描いたような海賊行為である。
これに対しオラシオン号は、渡し板の二つをPCたち冒険者に割り振り、残り一つをNPC冒険者に任せる。戦闘開始だ。


第一ラウンド、動きの速い冒険者達は防御の姿勢を固め、後衛のロングレンジ攻撃が飛ぶ。
お返しとばかりに、海賊側のマスケッター二人が、冒険者の密集に狙いを定め発砲。目標はランダム、ジャックに二発。命中と、クリティカルで命中*5、合計で4d12の大ダメージ。即死こそ免れたものの、最初に癒し手が瀕死状態と言うアクシデント。凶弾に倒れると言うのはこのことだ。


渡し板の一つは、ナバロンが一人で完封。一ラウンドに一人づつ確実に蹴散らしていく。
今一方は、ケルテンのスリープが効果を及ぼし、渡し板上の海賊は(ハリウッド流儀で)海に落下。だがお代わりは沢山居るんだ。
特に脅威は、海賊副長のハーフオーガ。岩を投げて攻撃、また味方の海賊も投げる(あさっての方向に飛んでいったがw)。hpも高く、船乗りなので平衡感覚にも優れていて、グリースの効きが悪い。
さらには不運がもう一つ。もう一方の壁であるジルコニアが、機械攻撃を受け、結果がクリティカル。これまた瀕死状態になる。
白兵ユニットが倒れれば、渡し板を通って海賊が船内になだれ込んでくるのは通理。エルフ二人組みにも白兵戦に巻き込まれる展開に。全滅の二文字がPL達の脳裏にうかぶ。


状況を打開すべくナバロンが動く。渡し板の守りを放棄し、ハーフオーガとの一騎打ちを挑む為、船上を奔る走る*6。ハーフオーガの機会攻撃をかいくぐり、レイピアを突き立てる。
ハーフオーガの反撃、5フィートステップで機会攻撃を受けない位置に下がったら、組み付き。そして宣言「次のラウンドには敵投げを使うよ、海に捨てます」
「組み付かれた状態でも、軽い武器は使えるよね。ピストルは使える?」
「OK(というか、ぜひ使え!面白いから)」
「決め台詞は命中したら言うよ、とりゃあ〜(ゴロゴロ)」ダイスの出目は「4」ハズレ。
うむ、じつに「らしい」といえば「らしい」
ハーフオーガの手番、開始時に組み付きの対抗判定。アクションポイントを全て使い、脱出するナバロン。反撃、命中、しかしハーフオーガは倒れない。
ハーフオーガの反撃、グレートアックスを漸く引き抜いて、振る。命中。ダメージは3d6+10。
未来の海賊王、ナバロン。志半ばにして即死。


一方、オラシオン号の船上では、エルフ二人が背中合わせに粘り強く抵抗していた。二つの渡し板から続々と海賊が殺到、二人の周りに集まってくる。ケルテンは負傷を負いながら、レイ・オブ・エンフィーブルメントのワンドを振り続ける。
そして、カイラーヴィンはというと、軽業と機動射撃を合わせて、撃墜スコアを上げていく。きっとこのときのカイラーヴィンの背中には、ハトの群れが飛んでいたに違いない。
その二人に向かって、剥きになって「味方投げ」で部下を投げ続けるハーフオーガ。あさっての方向に飛んでいく不幸な海賊。ハーフオーガから逃げる、シャーグリフィン号の海賊。オラシオンの上では、エルフが海賊から逃げ回っている。カオス。


オラシオン、消ゆ
6ラウンドが経過。三つ目の渡し板で、シャーグリフィン号の海賊船長が、NPCのファイター*7に討ち取られる。必然に海賊は降伏。


シャーグリフィンの襲撃を見守っていた男がいた。上空100フィート、インヴィジで潜んでいた彼は、襲撃失敗を見て取ると姿を現しこう言った「ユアンティが乗り込んでいるはずだ、差し出せ!さもなくば!!」
きょとんとする一行、PC一行、船長、共に心当たりがない。
とにかく傷を癒そうと、ポーションだの治療判定だの始める冒険者
ああ、返答無しで、戦闘準備するのか…。
上空から、全ラウンドアクションで最大化したファイアーボールと、間髪入れず即時最大化を使用したファイアーボールが発射された。
オラシオン号は爆破炎上、大破沈没。
ファイアーボール自体はイベント進行の演出と言うことにして、冒険者達は皆海に飛び込んで難を逃れる事が出来ると言うことにした。
戦闘自体は終わっていたので、瀕死状態のふたり、ジャックとジルコニアも助かっていいよ。って、言ったんだけどなぁ。死んだ事にして、キャラを作り直すってさ。まぁ、何も言うまい。


■流されてアイランド
生き残ったエルフ二人組み。漂流していた脱出艇を手に入れて、何とか付近の島までたどり着く。海図にも載ってない島だ。
人心地ついたあと、いくらか流れ着いてくるオラシオン号の積荷の間に漂着者を発見する。オラシオンの乗船者で、レルモース商会のゲストの付き人の一人だ。
気を失っているその女性を介抱する二人、そのとき彼女の変装が解けていることに気付く。正体は人間ではなく、ユアンティ・ピュアブラッドであった。
気がついた彼女は、名をニキと名乗り。事情を全て打ち明ける。
レルモース商会のゲストとは偽りである事(チャームパーソンとサジェスチョンを活用)
ゲストと名乗っていた男は、ラハンドと言う名のユアンティ・ハーフブラッドであること。
ラハンドの使命は、タリズマン・オブ・アルティメット・イーブルをユアンティの帝国に持ち帰る事。
謎の敵(いきなりファイアーボール男)の目的も、タリズマンであろうと思われること。
等々。また、彼女はトーチ・ポート生まれであり、ユアンティ社会に貢献しなければならない積極的な動機もない、と語る。


ともかくも、生き残る為には力を合わせなければならないだろうと、三人は意見を一致させる。周囲には、ただ広がる一面の海と、不気味な南国の密林が広がっていた。三人は、やや途方にくれていたのだった。



■余談
三人が南国の見知らぬ島で途方にくれていた頃、鶴ヶ島では一人のDMがやっぱり途方にくれていた。
計画通り、冒険者を南国の未開の島に放りこんだのはいいが、なんで二人しか居ないんだろう…。
オレはこの状態から、さらに4人の冒険者を合流させなければならないのか。それも、あまり不自然でない方法で。
一人二人ならば、海岸に打ち上げられても良いだろうが、四人いっぺんとなると、…ギャグだよな?

*1:PHB2とか、MM3とかも

*2:ナバロン

*3:だから固定イベントにしておけと

*4:知識:地域・20、そんなに有名じゃねぇなw

*5:まさにジャックポット

*6:エクスペディシャス・リトリート使用

*7:人間 ファイター 男 名をカシムと名乗った