SF

復活の地 1 (ハヤカワ文庫 JA)

復活の地 1 (ハヤカワ文庫 JA)

読了の38。

まずは、圧倒的な大破壊、絶望的な大災害。無力な人々、無為な人々。
その中で孤軍奮闘する主人公。そう、まさに孤軍奮闘なのだ。凄惨な状況と、人の無力と、主人公の(やけっぱちとも云える)覚悟に涙する一面も。
あ、ほら、オレ、カタストロフ物大好きだからさー。

一応の背景世界はSFでありまして。
人類が築いた星間文明圏は、地球の消滅と共に存続を維持できなくなり。各惑星国家が独立自治を行って400年あまり。
時の流れが(あと、幸運な再発見)技術の復興を促し、再び人々を乗せた船が、恒星と恒星の間を飛び交うようになった、第二の大航海時代
急速な国際化(星際化?)は、辺境の惑星レンカにも変化を及す。惑星レンカの盟主を主張する「レンカ帝国」は、来るべき星際化社会にそなえ、武力による惑星統一を目指したのだ。

とまぁ、ここまでは物語の前提の部分。本編では征服戦争の部分はほとんど語られない。主人公軍人ではないしね。
イメージはまんま明治政府かな。ほとんど、SFに仕立てる必要が無いくらい。ただまぁ、架空国家の話にしとくと色々角が立たなくて便利なのは確か。
征服民族を被差別人種として描写しているので、それはもう当然に。(ほんと、まんまだよなー)

銀河系国家が誕生し、しかる後に崩壊。惑星国家がそれぞれの道を歩み始め〜。
といった舞台立ては、まぁ、よく見られるSF背景でして。バトルテックとかもそうだよね。
L・M・ビジョルドのマイルズシリーズなんか、本当にこの本の背景によく似ています*1。ほぼ同じじゃあないかなー。
でも、空気感がまるで違うのね。手触りと言うか。惑星レンカは東南アジアっぽい。
星界の紋章のときも思ったけど、日本のスペオペの星間国家って、独特のエキゾチズムがあるよね。

*1:マイルズのほうはロシア帝国風。あと、星外からの侵略者に対し、馬と騎兵銃(火薬式!)で壮絶なゲリラ戦を行って惑星の統一がなされている。これも背景設定なので、本文中は説明だけで終わっているけど