D&D、【〜昇華の竜〜】

二回に一回しか参加できないキャンペーン、【〜昇華の竜〜】に参加。キャラは、バンザイ跳躍突撃激怒マンのシモン・マロード。
気がつけば12Lvになっているこの事実。クラスも、元サムライ/ファイター/バーバリアン/レンジャー/エキゾチックウェポンマスター/ローニン/ヘルリーヴァー、という訳の分からんものに。呪文がなげぇよ。まぁ、普段は素浪人としか名乗っちゃいないがー。

■遭遇、その一
とある山中の廃村。紆余曲折の末*1、村の真ん中に陣取るデーモン作成の魔法装置の破壊を試みる。
中央に石柱がそびえる。硬度は、とりあえずアダマンティンに抗し得るほど。シモンがフルラウンドアタックで、70〜80ほどのダメージを3発ほど叩き込むが、倒れず。
そして石柱の反応。要求される頑健セーブは50オーバー、当然失敗。180あったHPが、いきなり0になるシモン(と巻き添えのギャラハン*2)。シモンのHPは石柱に吸われ魔力に変換、石柱は際限なく周囲にメテオを降らし始める。
たまらず一行、パレッタ*3の転移術で退避する。

状況を整理する。
魔法装置は中央に大きな石柱が1本、周囲に小さな石柱が6本。これは60フィートの等間隔で配置されている。
石柱に与えたダメージは、6ラウンドで完全修復される。1+6本のうち、一本でも残っていたら、全ての石柱が復活する。
小さい石柱の周囲10フィートでは2Lv以下の呪文が抑制され、中央の石柱の周囲では4Lv以下の呪文が抑制される。
石柱の耐久力は、小さいものが硬度20のhp100、中央の石柱が硬度25のhp200だが300だか。

綿密な打ち合わせの末、破壊作戦が実行に移される。BGMはインポッシブルなアレだったり、ヤシマ作戦なそれだったり各人様々。シモンは当然、特攻野郎なAのソレ。
与えられた時間は6ラウンド。中央の石柱に接近すれば隕石の雨も覚悟せねばならない。果たして作戦は成功するのか?

3ラウンドで破壊した。メテオが起動する前。オレ達つぇぇぇwwwwww。
と思ったのつかの間、異変発生。
「石柱は爆縮を始めるよ」
なんですかDM、その爆縮って?D&D用語でおけ?
だがしかしシモンの目前で小さな球に縮んでいく巨石装置、なにこのフュージョン現象、テラ シュバルツシルト半径。わ ら え る (泣)
こうなればシモンに出来ることは一つだけ。
「攻撃回数余っているから、そのまま殴り続けます!」
ここに、事象の境界線ごと特異点を胴田貫でぶん殴ろうとする素浪人がおりまする(笑)
行動が残ってたケンドール*4と二人で半泣きになって近接攻撃を加える。
結果、なんとか謎の黒い球体は胡散霧消する。ふぅ、何とかなるもんだな、流石はファンタジー!(ファンタジーなめんな)

残された跡地には、深い穴が。
覗き込むと、鏡のように覗き込んだものが反射され。なおかつ見る見るうちに穴は修復され、元通りに。
「こうね、地面を下側からヒモで引っ張ったみたいに落ち込んでいたものが、元通りになったみたいな様子だよ」
宇宙物理の理論モデルかよ!

■遭遇その2
デヴィルとデーモンが手を組んで、異界への門をこじ開けようとしている現場に踏み込んだ。
場所は煮え立つ溶岩が渦巻く曲がりくねった洞窟、毎ラウンド2d6の火ダメージが一行を苛む。
アイリスの防御呪文*5が無ければ、大変なことになっていただろう。

慎重に、しかし大胆に歩を進める一行。
前方に溶岩の池、陣地に潜む影と*6、蹲る巨大な翼*7を確認したそのとき、戦闘が始まった。
翼持つ巨大な赤きモノは、咆哮を上げつつ紅蓮のブレスを吐く。放たれたブレスは、一行の横合いの岩盤を貫通し、火炎を撒き散らす。ブレスの効果に晒された地形は、すべて溶岩に変更されていく。
ちなみに、溶岩は入ると20d6の火ダメージ、期待値70点。
歩く場所なくなっちゃうよ。

アップダウンの激しい地形と劣悪な環境、そしてスリート・ストームの呪文が一行の移動を阻害する。せまい洞窟内は、大型サイズのシモンには苦手な環境だ。
自由に動けない冒険者を、超大型のレッドドラゴン(となんか非実体のスウォーム)が襲い掛かる。ひたすら耐えるギャラハン。
一方ケンドールは、陣地に篭っていたワンド使いのコボルドの中に飛び込み、大奮戦。

カデッサ*8が地形変化の術で洞窟内に道を作った。前方にレッドドラゴンへと到達するラインが開ける、視界に飛び込む赤い巨体。
ドライセン*9が、シモンが猛然と大赤竜の前に飛び出した。



大赤竜は軽く飛翔し、沸き立つ溶岩の上に立った。地より噴出す溶岩が柱状の高みを形成している場所、灼熱の柱の頂点である。その高さ30フィート。猛然と挑みかかってくる冒険者たちに対し、今一度、必殺の火炎の吐息を吹きかけるためだ。
二度目のブレスを吐くために、5ラウンドの待機が必要だった。その時を稼ぐ間をつけ込んで、刃向かって来る冒険者連中のなんと忌々しいことか。
だが、一度放てば、威力最大化された紅蓮の業火は、目前に迫る煩わしい小さき者共をまとめて消し炭に変えてしまうだろう。
竜は己が勝利を確信し、ほくそえんだ。

シモンは竜を仰ぎ見る。両者を隔てる距離は15フィート、高さは30フィート。跳躍の技能判定の難易度、目標は40。アイリスのインサイト・グッド・フォーチュンの呪文の加護を受け、獅子頭獣身が跳ねた。シモンにとって、そこは決して届かぬ距離ではないのだ。HIGHER THAN THE SKY!
バーバリアンの激怒、ビーストの激怒、そしてヘルリーバーの聖なる怒りがシモンの身を包む。突撃の条件を満たしたシモンは、ライオントーテムの恩恵により飛び掛り攻撃を行う。竜に見舞う斬撃、その数は四度。
一撃目。命中。96被害。
二撃目。命中。100被害。
三撃目。かろうじて命中。98被害。
そして、ヘイストの効果による四撃目。しかし、ダイスの目は「1」
竜がダメージ減少を持っていることを、シモンは斬った手ごたえで感じていた。己の剣が、竜に十全のダメージを与えていないことも。しかし、三度の斬撃は竜に十分の痛手を与えてもいた。
だが、竜は倒れなかった。あと一撃、それが足りない。シモン・マロードの剣は、竜の命に届かなかったのだ。
不運。
シモンの剣は捨身の業だ、竜の反撃をかわす術は無い*10。仕留めそこなった事を悟ったシモンは、竜の反撃を覚悟した。

竜は迷った。
期をして炎の吐息の準備は整った。ひとたび放てば、眼前の小さき族はそのほとんどが地に倒れ臥すだろう。
だが全てではない。忌々しいことに、竜のひと息で全てを滅ぼすことは不可能であることは、竜も理解していた。
そして、生き残るであろう冒険者の次の反撃に、竜は己の今の肉体が耐えられぬであろう事も、また理解していた。
つまりは、命と誇りの選択であった。
威を誇り、命を散らすか。命を拾い、敗北の恥辱に塗れるのか。
竜は暫し逡巡し…。
テレポートを使って転移する。伏して、雪辱を晴らす道を選択したのだ。

それはつまり冒険者にとっては、まっことやっかいな問題を抱えたことになったと言う意味でもあった。


■遭遇その三
廃村を訪れるたび、ケンドールは夢を見る。今日、村の近くの「扉」に集っていた魔族を打ち払った後、村に宿した夜もまた同様に夢を見た。
少女の夢だった。少女はケンドールを誘う。
今までケンドールは、少女の誘いに乗ることは無かった。だがしかし、今晩はあえて乗ってみることにした。
古代の秘事を護って来たと推測される村、その付近に発見された「扉」 そして執拗な魔族の介入。
真実の一端に触れる手掛りは少女にあると、ケンドールはなんとなく直観していた。
果たして、魔法戦士の思惑は的を得ていた。ケンドールは鍵を入手する。むろん「扉」の鍵だった。
そして、「扉」を開くと言うことは、「神話」を啓く事であった。
翌日、扉をくぐった九人の英雄は、そのことを知らされる。

もはや、造物主は拡散し、世界と同化した。
事象は八器に象徴され、担い手こそが最も新しき神話となった。
再生が始まる。


■幕間
足下に青く光る大地を望む、造物主の部屋。
獅門は懐手に顎をしごきながら、ぼうっと思案を巡らしていた。
唐津で、浅薄にも政治に足を突っ込んだ時は、そりゃひどい目に合った。以来、天下を語るのは御免被ると思い定めている。彼にとって、神話創世と肥前の小藩の内輪もめは、大した違いは無いらしい。
素浪人を名乗る男の、前後左右には星が散らばる。瞬くことの無い光の粒の、その一つ一つ尽く全てが一つの世界であるという。稀有壮大すぎて、なにやら足元が定まらぬ。なんとも呆れた話だ。
そういう時は剣を握る、すると自然と腰が定まる。「なあに、剣が教えてくれるさ」師匠の言葉だった。
捨子だった己に、獅門稀人という名をくれたのも、師匠だった。気がつきゃ、ほんとうにマレビト*11になっちまったらしい。あのお人は、天眼でももってらしたかねぇ。
ビーストが笑う。
先ずは一匹、始末し損ねた竜と決着をつけねばなるまい。このような因縁も、また面白い。
これより往く先、闘争の相手には困らぬようだ。首から八器をぶら下げている限り、多元宇宙のそこかしこから刺客が沸いて出て来る事となったのだから。
望む所さ、いける所まで往くまでよ。
HIGHER THAN THE SKY
天を抜けて、もっと高く。
獅門は天を仰ぐ。月が出ていないのが残念だった。

*1:いや、ホントに色々あったのよ。前々回とかさー、前回参加してないしナー。

*2:アーケン・モンクの符術使い、接触ACが40近くまで達する変態ウルフビーストマン

*3:モンハン世界からやってきた、スカウト。超絶能力を誇るスポッターにして、割り込みアクションで擬似呪文能力の「ディメンジョン・ドア」を行使できる変態。最近マーシャルの技を覚え、周囲に「意思抵抗ボーナス+11」を振り撒きはじめ変態に磨きがかかった

*4:特殊部隊ダスクブレード出身の魔法戦士、元中尉。アブジュレイド・チャンピオンになってからは、始終ピカピカ光っている鬱陶しい変態。将来的にはジャイアントサイズで巨大変態へと化身することを画策している

*5:3.5有数の変態クラスレイディアント・さーばんと・オブ・ペイロア(相当品)のクレリック。常に未来あるであろう危機を予測し、呪文の準備に余念が無い変態。なんでそんな呪文用意してるの!ってDMに突っ込まれることもしばしば。中の人初心者なのに、最近すっかり染まってきたなぁ

*6:雑魚のコボルド連中

*7:アビサル・マチュアアダルト・レッド・ドラゴン、超大型のニクイやつ。名前がなげぇよ。

*8:キローレンのウー・イァン。師にして姉であり、恋人でもある女性を求めて彷徨う男。自身の過ちによって故郷を滅ぼした過去を持ち、背徳と罪科に苦しむ変態である

*9:歴史の黎明から戦い続ける戦闘機械。かつて黒い月の上での戦闘に敗北し、その結果が現在の世界の危機の直接の原因となっている。今は、戦闘力の機能回復(という名のLvアップ)に勤めながら、異世界から来訪した冒険者と行動をともにしている久遠を生きる人造の変態である

*10:このときシモンのACは4、Hpは228。1ラウンドくらいは、まぁ何とかなるだろう、とはボンヤリ思ってた。

*11: 『「マレビト」とは、「稀に来る人」のことで、「時を定めて外界から訪れ、予祝などを行う存在である。」折口信夫自身は「まれびととは何か。神である。時を定めて来り、臨む大神である。(大空から)あるいは海のあなたから、ある村に限つて富みと齢とその他若干の幸福とを齋して来るものと、その村の人々が信じてゐた神の事なのである。」とのべている。マレビトの具体例は、日本神話中ではスサノヲが挙げられる。スサノヲが高天原から追放される段の『日本書紀』には「スサノヲが簑をつけて宿を諸神に乞うた」とある。また『備前国風土記逸文の「蘇民将来」譚でもスサノヲが最終的に「自分はスサノヲである」と告白している。民俗行事では、秋田県のナマハゲ、沖縄県のマユンガナシが挙げられる。これらは仮面や簑をつけた神が遠くからやって来て家や人々に祝福を与える、という即興的な行事であり、青森から沖縄まで広く分布している民俗儀礼である。これらのマレビトは『備前国風土記逸文の「蘇民将来」譚でも明らかなように厚く歓待しなければ祟るとされ、歓待すれば幸福をもたらした。大師講という行事の際に訪れるとされた「ダイシ様」も同様である。』       天保の人である獅門稀人が、折口名彙を知っている訳は無い。スウォロン滞在の際に知り合った古本屋から聞きかじったのではないだろうか。