似て否なるもの

前述の「楓の剣!」を読了。
うっわ〜、これ時代小説じゃねぇジャン!
いや、うそうそ。違います時代小説です。
所謂、暦史小説と時代小説の括りの約定から言っても、文句無く江戸物の時代小説です。
飛び道具かまされた気分だけど。
しかし、それは池波正太郎や、隆慶一郎を読みなれた僕だから感じる事で富士見ミステリー文庫の読者にはそんな違和感は、おそらく無いのだろう。
実際、作中には驚くほど嘘は無い。
江戸市中の描写、武家社会の仕組み。
大事な小物である、刀剣に対する書き込み。
これらが丁寧に、且つ詳細に描かれたいる。
ああ、これはマニアだとニヤリとしたもの。
(唯一は海老天蕎麦か、天ぷらそばに当時海老を使ったかどうかは微妙だと思うが、さて?)
殺陣についても刀についても気持ちが入ってる。
と思ってたら、作者自身、居合いを使うのか。なるほどー、なるほどー。
極度の江戸マニアで、居合いの使い手、てんで無意識に男を考えてたんだけど、書いた人女性なのね。
まぁ、逆になんか納得が言ったんですが。
なにがって、キャラがとにかく軽いのよ!
で、動く動く!心も身体も軽快に、軽妙に!
気持ちよく掛け合いを交わしながら、ぐいぐいと踏み込んでいくキャラクターを読むにつれ、おのずと読み手もぐいぐいと引き込まれていく按配。
ライトノベルはキャラのイキの良さが命だね!そう思わない?
主人公たる女剣士の造作とか、話の追っかけ方とか、少女小説のソレだったり。
妙に呪法に詳しいのも得心。
うーん、これシリーズ化狙ってんのかなぁ。