死力戦

此処で再び撤退の動議。
無理も無いです、呪文は殆ど使い果たています。
このまま突入して、無傷で済むはずもありません。
ですが僕は、あえて突入を支持しました。
なぜなら、もう二度と此処に乗り込めない気がしたのです。
時を置けば相手は高レベルのアーケインキャスターです、準備に時間をかけると言う事がどういうことか!
再び、やつの前に立つのは困難を極めるでしょう。
ですが今なら、ヤツはただ一人の魔法使いで、此方の戦士は無傷です。
このままテレポートで帰還しようとしても、重量の関係全員は無理です。
残った者には死が待っているでしょう、同じ死ぬなら命の使い道は!
結局、バードの3Lvスペルスリットが2つ空いてる事が決め手になりました。
ヘイストが二回使える。コレに勝機を見出します。
たとえ、何人が倒れようとも、一人生き残れば我らの勝ちです。
テレポートが使えるウィザードが生き残っていれば我らの勝ちです!
まさに決死の覚悟でラークシャサに挑みます。

途中何の障害も無く、直通でラークシャサの居室へ。
奇妙な本棚、ほの暗く光る魔方陣
部屋の奥には石壁で区切られた部分があり、向こう側からはページを繰る音と衣擦れの音。
部屋の中ほどの床を、高さ5フィートの出っ張りが走ってます。チャージよけでしょう。
護衛が一人いました、星界の彼方から飛来したと言う機会生命体の一人です。
ギルド襲撃の際(前回ね)交戦した個体より強そうです。

軽い会話の応酬から始まります、終始ラークシャサは余裕の態度を崩しません。
イニシアチブは自分が握ってる、と言いたげです。
実際こちらはボロボロですしね。
盾の女神を奉ずる僧侶(つまり僕だ)口を開いたら、とたんに激興し口汚くののしります。
さすが悪の体現者、善なる神はお気に召さぬ様子。
コレが戦いの口火を切った形となりました。

段取りよく各自の役割をこなす面々、戦士が間合いを詰めます。
機械生命は主人に近づくものに機会攻撃出来る位置へ。
ラークシャサは壁の影から出てきて、魔方陣の中に。スクロールを取り出し(時代劇の手紙みたいな長いの)口上をのべます。
コレが、この余裕が致命的となりました。
機会生命体に大ダメージを食らいながらも、接敵に成功したリザードフォークの戦士ライディア。
渾身のグレイブが命中、クリティカルヒット!大ダメージが発生します。
ラークシャサは、大規模ダメージによる即死判定、目標は15です。
此処でにわかに「1!」、「1!」、「1!」、のコールが沸き起こります。
DMが投げた20面体は周囲の注視の中、1の目を上にして静止しました。
あのときのDMの顔を僕は憶えています。
ナニが起こったのか理解が出来ない時の顔です。
そう、頭が真っ白になった時の。
かくて伝説にも謳われたラークシャサ(ホントにエピックLvっだったそうで)は、一発の呪文も投射すること無く、即死と相成りました!

後は、機会生命体を残すのみ。
強力な存在ですが、やたら硬くて、やたら痛いだけ!(オイオイ)
囲んで攻撃すれば程なく沈みます。
が、最後に意地を見せ付けられ、タコに変身していたドルイドが道ズレにされました。
四回攻撃、三回当たって二回クリティカル、300ダメージを軽く超えてました、そりゃあどうにもならないねぇ。