SF

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)

読了の25

唯一思い出だけを糧に、10万年を往く戦士。なんたるロマンチズム。昔の少女漫画みてぇ。

ケンタッキーにはやられました。
時間モノ、というと、オレは閉じた円環にとらわれてしまいがちで。その因果の帰結を、環の中に探してしまうのだな。だから途中まで、Oが10万年の時の果てに、自分の手でETを作り出してしまわないかとハラハラしてましたよ。
そんなことはありませんでしたがー。時間は頑丈だったんだねぇ。
とわいえ、敵の正体については、とって付けた感がぬぐえませんが。

ラストは結構好きです。典型的なデウス・エクス・マキナなのかもしれませんが、それでも絶対的な死地にあってなお、もしくはそうであってこそ、ヒミコが王としての完成をみた瞬間に、涙せずには居られません。基本こういうの弱いんだよ、オレ。