- 作者: 樋口有介
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2004/02
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (13件) を見る
ようやく、読了の01。
・
ニヒリズムにみちた、主人公の語りが切れ味がよく、読んでいて気持ちいい。
とある不審死にまつわる事件を追う、いわゆるミステリやサスペンスなのだが。しかし、物語は、描写や舞台立て、主人公の独白と合いあまって、文学的ですらある。
や、それは、一人の白い少女と、失われ行く幻想と、そしてその最後が、大きな原因ではあるのだが。
光り輝く、夏の小笠原。しかし、主人公にとって、そこはもう、喪の島でしかないのがさびしいね。
・
小笠原には一度行ってみたいと思っていた。
船が、一週間に一本しかないのがいい。船が無い間、何をどうしても、帰れないのが、凄く魅力的だと感じていたのだ。
もし、この先、本当に小笠原を訪れる事が出来たのなら、この本を持っていくのも面白かろう。そういう楽しみは、実に素敵だ。
(作者、一週間しかアノ島にいなかったらしいけどなー)