読了の34

続けて二巻目。
戦記もの。

主人公は頭が固く、融通が利かない騎士。折り目正しく義心清く、頭に血が上りやすいのが玉に瑕。
その弱点をつかれ、わがまま姫様にそそのかされるままに、縦横無尽に国内を世直し旅に奔走する日々。
で、あるだけならば、どれだけ幸せだった事か。

国内に反乱が起きる。民衆による一斉蜂起だ。
原因は、特権をかさに横暴を振るった貴族にあった。
主人公は、国王に忠誠を誓った騎士である。乱れた治安は正さねばならない。
しかし大儀は彼のほうにではなく、むしろ反乱を起こした民衆にこそあった。

主人公には特殊能力があります。
それは馬鹿力。
幼き日に暴漢に襲われ、わが身どころか、護ると誓った姫の命もあわやといった瞬間に、なぞの精霊が現れて授けてくれました。馬鹿力。
たぶん、D&DにするとSTR+8とか、それくらい。大型にサイズアップした時の修正くらいかな。
しかしそれで十分で。
あとはもう必勝の信念と、馬鹿特有の弛まぬ訓練の成果が、彼一人をして千人の兵に匹敵する無敵の戦術ユニットと成しえています。
で、力をくれた精霊は事有る毎に助言を与え、彼を厄介ごとに引きこもうとし、彼に人血を流させようとするのだな。
気苦労の多い人です。

二巻では反乱軍側(彼らは解放軍を名乗っていますが)の描写を中心に展開していて。反乱軍側のヒーローユニットについても事細かに。
見せ場はやっぱり、冒頭の城砦攻めですか。
魔法攻撃で、高さ60フィート厚さ60フィートの堅牢な石壁を破壊するシーン。いくらソニックダメージが硬度を無視するといっても、D&Dですら再現することはなかなか出来ない破壊力です(笑)