南海波濤編 〜キング・ナバロンの秘宝〜

連続第六回。そろそろキングナバロンとやらの秘宝が出てきても良いかもと思えるが、いまだその影も見えず。どうしたもんやら。


■ロストシップ
前回、古代の魔法船を目の当たりにした一行。島影の洞窟の中、岩の中に乗り上げたその船を、当然のごとく自分のもの扱いのナバロン・ザ・ディープ。や、まぁ、だれも咎めやせんがー。
島から人足を集めての土木工事の果て、無事に就航したロストシップの船名は「ブリッツ・オブ・ナバロン」と名付けられた。
この船、サブマージシップの呪文がパーマネンスされている。船体構造材は木製だが、魔法強化されており、通常の歩兵装備などでは疵一つ付かぬ優れもの。
厭が応にでも盛り上がりを見せるナバロン。潜水海賊船だもんなー。


■歌う白鯨
一般の港に寄港するためには船舶証明が必要。それで無くとも世間の情報は欲しい所。そこで一行は、海運の中継地点であるジャンガリアン*1を目指す。
順調に航海をするブリッツ・オブ・ナバロン号。なにせ、巡航60フィート/rの速度は殆んどの海洋生物を上回り、ワンダリングナ遭遇を引き起こさない。潜水航行中は、天候による影響を受ける事もなく操船判定の必要も無い。
これは…。船での移動は、場面転換ほどの意味しかもたねぇなぁー。

そんな航海のさなか、ソナー員スカウトのカイラーヴィンが奇妙な声を耳にする。歌のようなのだが、その言語を理解できる人物が一行の中には居ない。
声を辿って進めば、海底の入り江の中に蹲る超巨大な白いクジラ。どうやら病気らしい…。
うつぼが音楽でなだめながら何とかコンタクトを取る、コンプリヘンド・ランゲージで喋っている言葉くらいは判ったんだ*2
このクジラ、深海の中でイビルなものを飲み込むのが使命らしい。しかし、最近飲み込んだものが良くなかったらしく、病気にかかってしまったとか。
「コレはアレか、クジラの中に入って冒険するお約束的な流れのソレか?」
「は。海洋冒険の基本テンプレは一通り取り揃えて御座います」
微妙な表情の一行。あ、このクジラ、コアロン・ラレシアン所縁のセレスチャルなアレだから、見捨てる時はそれなりの覚悟をよろしく〜。

クジラの口から内部に侵入。中はやたら広い、別次元に繋がっているらしい。
慎重に進む一行、入り口付近に屯っていたスウォームに襲われる。エフェメラル・スウォームだ。

この非実態の群れに一行は大いに苦戦し、カイラーヴィンは寸でのところで命を落としかける。コレは脅威度に見合わない遭遇の典型だな〜。
今回、クレリックのジャックが不参加なので、ヒーリング・スタッフが頼り。だがこの遭遇でスタッフのチャージは見る見る間に減っていく。そして、金目の物を持ち合わせているわけも無いエフェメラル・スウォーム。コレは収支に見合わない遭遇の典型だな〜。

奥まった所で強い瘴気が溜まっている、周囲には瓦解した船舶の構造材。朽ちた木材の陰から身を起こす邪悪な大型のシルエット。

貪り喰らうものディヴァウラーだ。
脅威度は11、6Lv平均である冒険者一行には、危険すぎる遭遇だ。さあ、君たちのアクションポイントとリソースを全て吐き出したまえ。
だが落ち着いてクラヴァン・エロンナ*3は宣言する。
「早咲きの弟子からレイス・ストライクを発動。呪文共有にしたがって動物の相棒兼使い魔のフレッシュレイカーにも作用します。突撃、そして飛び掛り。命中命中命中命中、そして命中!」
あれ?ディヴァウラーのhpが半分になりましたよ? 
あー、えーっとね。結局2ラウンドで沈んじゃったよ、脅威度11。ちぇ、せっかく中の人ご招待のチャンスだったのに。

ディヴァウラーを倒した後、貪り喰らうものの中に捕われていたと思しき人物の持ち物を拾う。中に黄金の柊の葉が封じられた、琥珀のアミュレットだ*4。白鯨はアミュレットから、失われた故郷の匂いがするといった。
ロゼブール。白鯨は自らの名を告げて一行に感謝し、再び深海へと潜っていった。



■帰ってきた、海賊船シャーグリフィン号
ジャンガリアンの港は燃えていた、火の手は停泊中の軍船から上がっていた。湾から退避しようとする小型舟艇を執拗に攻撃する船が目前にある。港の出入り口を塞ぐ様に遊弋する船の甲板上には、巨躯のハーフオーガの姿が見て取れた。
カイラーヴィンはその船に見覚えがあった。そして、傍らの若い船長に告げる。
「あれは海賊船シャーグリフィン号だ、そしてあのハーフオーガこそナバロン・ザ・ディープ、お前の兄弟の仇だ」
それを聞いたディープは全速でシャーグリフィン号に近づき、そのままハーフオーガが陣取る船首付近に、横合いから、思いっきり、体当たりをかました。

戦闘は冒険者一行の先制で始まりました。
エロンナ秘蔵のファイアーボールのスクロールが炸裂し、甲板上の戦闘員を甞め尽します。迎撃の態勢も整わぬまま、一気に乗り込みを許してしまったシャーグリフィン号。
リザードフォークとバグベアの6Lvユニットが対抗しますが、押し返すには到らず。遂には首魁であるハーフオーガのオクトーバーが倒されます。
ゴブリンのクレリックが僅かな抵抗を見せますが、ソレも時間稼ぎにもなりませんでした。バグベアが倒れた時点で、大多数であったゴブリンの海兵は海に身を投げ逃げ出してしまいます。
やー、先手を取られたらこんなものだよなぁ。
因縁のシャーグリフィン号、敢無く拿捕です。



ユアンティの海
港を封鎖する海賊船を降した一行に近づいてくる王国水軍の連絡艇が一隻、「君たちは一体何物だ?」
応えるディープ「オレの名前はナバロン・ザ・ディープ!」
「「「オイーーーッ!」」」
ナバロンは伝説的な海賊の名前、と言い出したのはPL。そして海賊は縛り首が定法。つか、ナバロン島が軍隊に滅ぼされたって設定はアナタが言い出したんではなかったか?
「うう、スマンw 船が手に入ったんで、かなり調子に乗ってしまった!www」
そして応える水軍の士官。
「なに!君はディープなのか?僕を忘れたのか、僕はイーグルアイだ!」
って、ナバロン島復活を誓った、五人の若きナバロンの一人の登場ですよ。なんかもう、この辺わやくちゃ。

イーグルアイの要請で、接岸中の水軍の巡洋艦に攻撃を加えている海賊船を蹴散らしに行く事に。
なんでも、その海賊船は多数のユアンティが乗り込んでいるとか。なんとなく、そっとニキのほうを見る一行。
「いや、アタシ都会派だから。義理とかしがらみとか全然ないしー」
だが、件の海賊船、ストークヴァイパー号に接近したとたん上がる叫び声。
凄腕っぽい弓手ユアンティが言います「ラハンド様!ニキです、ニキ・アジャナイが生きてました!」
報告を受けて喜ぶストークヴァイパー号のBOSS、ラハンド様。嬉し涙とか流したり。
「うおー、このことを疾く大僧正様にお知らせしなければーー!」
ラハンド様、猛然とブリッツ・オブ・ナバロン号に迫ります。邪魔する者は皆殺しです。配下の五人のユアンティも続きます。
さあ、激しい戦闘が始まりました。

「きさまら如きに我が倒されるとわー!」
ハーフブラッド・ユアンティのラハンド様は怨嗟の声と共に地に倒れ伏しました。ええ、実際に強敵でした。が、あまりその実力を発揮できたとは言いがたいですねェ。
呪文抵抗を持ち、白兵攻撃には毒、擬似呪文能力に加え、酸の分泌体液を持つユアンティなのに見せ場の一つも作れないとは。なぜだ?
周りを固めるユアンティ・ピュアブラッドの兵士達は、既に冒険者一行に抗しえるLvではありません。一気に形勢は冒険者一行に。
機を見て悟った凄腕弓手ユアンティ(マカクと言う名を持ちます)は、軽業で甲板上から脱出。水上でヴァイパーに変身し、水中を水泳移動力で逃走しはじめます。見事な逃げっぷり。
が、しかし通常なら逃走に成功していた手際ですが、ブリッツ・オブ・ナバロンとその乗組員には通用しませんでした。
即座に急速潜行を始めるB・O・ナバロン、その水中移動力は水棲生物のそれを凌駕するのは前述の通り。さらには優秀なソナー員スカウト、カイラーヴィンの耳は140フィート半径の水中に動く者全ての音を捉えます。
120フィート離れた所に超小型の敵影を捕らえたナバロン・ザ・ディープ、全速を持って突撃を敢行。巨大サイズの魔法の潜水海賊船は、唸りを上げて疾駆し超小型の蛇に体当たり!見事命中!目標を完璧に粉砕しました。
あーあ。
粉々だよ、全く。



■エピローグ
次回はとうとうオルクレア島に上陸です。
南海の覇者、アイゼル王国の王都のある島。戦士カシムとの落ち合う約束をした、酒場アンタレス
魔法物品を商う、不気味な存在レルモース商会。
そして、沈黙を守るラオ神殿。
ナバロン・イーグルアイの案内で、一行は陰謀の渦巻く、熱気の焦点に乗り込みます。

*1:夜中に名前を考えている時はコレでいいと思ったんだ、いい名前だと思いすらもした。夜中っておそろしいなー。

*2:前回出したアイテムの中に、タンズのスペルスクロールがあったはずなんだがなぁ〜

*3:ウィザード・ドルイドのグレイエルフ、アーケン・ハイエロファントを目指すショタ子

*4:ランダム財宝表を振ったのだが、他は悉く空振りであった。オレのシナリオは実入りが少ない等と言われるが、それは決してオレだけの所為ではないと思う。