月曜日は魔法使い (HJ文庫G シ01-01-01)

月曜日は魔法使い (HJ文庫G シ01-01-01)

読了の18

本書は驚きに満ちている。
たとえば、エルフには産毛が無いとかだ。


著者の分身であるエルフのソーサレス アストリッドは、彼女の理想と願望の具現である。
その理想と願望の中には、「無駄毛処理をしなくてすむ」という、大変実際的にして夢のような事実をエルフに与えたのだ。
そーだよなー、ビキニアーマー着るには、アンダーのヘアラインのお手入れは必須だものなぁ。脇もそらなくちゃだし。
エルフは安全カミソリで、夏に備えたりはしないような気もするなぁ。毛根除去(リムーブ ヘアルート)の呪文とか、あるのかも知れない。


そもそもの発想の出発点からして違う。
君の冒険者は何足の靴を持っている?バッグやポーチは?




米国人で女性という、オレにとっては二重の意味で異人の、D&D日記。いかにして彼女はD&Dと出会い、そして女魔法使いアストリッドとなったのか。
この本は、アメリカのオタクとゲーマーに関する、いわゆる一般人と呼ばれる女性からの考察と実態の観察記録でもある。
コミュニティに入って、実地観察するのは民俗学の手法*1にあったな。



先ず、第一に横書きで綴じが逆なので、読みにくい。


次に、二色刷りでポケット参考書を想起させるのがやだ。


さらに、米国人の口語体は言い回しが独特で、難読である。矢継ぎ早に挿入される、米国のTVカルチャーに関する注釈をいちいち参照せねばならないのが、それに輪をかける。


だが、それでも読み進めると、驚くべき発見に出会えるのだ。
てーか、再発見か。
メリケンのゲーマーどもの生の情景が、ニホンのソレとあまり変わらない所とか、な!


繰り返し、「この本はD&Dについて何も知らない女性にお勧メ」などと書かれているが。
コレ、ほんとうに楽しむには、スレたゲーマーの魂が必要だぜ?

*1:観察者がコミュニティに与える影響が無視できないため、現在はこの手法は否定されているが