命 巡る

宇宙の生命が、死んでそして再び産まれるまで、ひととき安らぐ領域。命の泉。
神々の盟約により、如何なる者も触れる事を許されぬその場所。しかし、そこに禁を侵し足を踏み入れた奴が居る。
アシャーダロン。最も古く、最も力強き、赤い竜。

己が命をつなぎ、永遠を生きるため、未だ生まれる事なき魂を啜る邪悪な竜。
星霜に近い年月を超え、神をも凌ぐ力を持ちながら、死を退けるは適わぬ事を知った哀れな存在。
禁忌領域の中心、命の泉のある彷徨える魂の砦の最深部で、ただただ命を存える事のみを願いとし、赤子の様に蹲る。
赤竜の王よ、貴様を滅する為に我等は来た。