D&D 【伍竜伝承】

盛大に遅刻したオレを、みんなはダンジョンの入り口で待っていた。うん、迷惑をかけた。

今回のミッション。
アーティファクトで操られた、エルダーなホワイトドラゴン(島の守護神的な、モスラ的なソレ)を解放するため、ドラゴンの巣へ勝手口(守護神との連絡用の秘密の通路)から進入し破壊工作を行う。
障害は三つ。
アーティファクトを所持しているマインドフレイヤー、それが三体(以上)。
マインドフレイヤーの配下に置かれている、ダゴン信徒の集団。
そして、ホワイトドラゴンその人。

編成されたチームは二つ。ドラゴンの気を引いて、時間を稼ぐNPCチーム。その間にコッソリ巣にエントリーして破壊を行うPCチームだ。
双方はテレパシックボンドで密に連絡を取り合う。

■遭遇1 ダゴン信者
通路を急ぐ一行の前に、六名ほどの信徒グループが行く手を阻む。
2ラウンド突破。
ファイアーボールがあれば、2秒で終わる仕事だったのだがー。ないモンは仕方ない。

■遭遇2 悪魔神官
ダゴンクレリックに率いられた一団が矢戦を仕掛けてくる。高低差を利用した、攻め辛い地形を利用した上に、サモンアンデットによる大型スケルトン二体でラインを形成されてしまった。
ケルトンの突撃は、ACが高いクリス(&サイレン)が止める。後方からはヨハンとDシーカーが応射を開始する。フィリップのアストラル・コンストラクトと月影さんが空中移動力を駆使して、敵陣に肉薄を試みる。スティールは歌い、雪子はがんばって応援の態勢*1

こんなこともあろうかと容易していた、クリスのフレイルが唸る。唸って空を切る。タッチアタックで、AC10が出ないとか、どういうダイス目だ(全力で攻防一体中だったとはいえ)。
ブン!ブン!ブン! パキン!  終にはファンブルでフレイルは壊れてしまう始末。なんつーか、「1」出すぎ。
サイレンが着実に骸骨を削っていくけれども、有効打は出にくい状況。ダメージ減少が忌々しい。
白兵戦線は完全に膠着、敵の思うツボ。

後方組みの射撃が功を奏しはじめる。其処へ、月影さんとAコンストラクトが突入。
ダゴン神官を討ち取る。
殊勲はDシーカー。クリスは星無し。

■遭遇3 ドラゴンズ・ネスト
アーティファクトの安置してある竜の巣に到着。この時点で、NPCチームは「4ラウンド目のホワイトドラゴンの手番で全滅する」との連絡が。ブレスに一発は耐えたが、二発目は無理!だそうだ。

一行は一気に散開し、破壊を目指す。
目標は崖の上。ホールから飛び道具で破壊を狙うか、細い小道をくぐって接近するか、アプローチは二種類。
もちろんクリスは後者。サイレンに拍車を当てて、出来うる限りの速度を出す。凍結した紗路が障害となるが、サイレンの突破力はソレを上回る。

種族能力のディメンジョン・ドアで近づこうとした雪子が、フォービダンスにてはじかれる。流石にテレポート対策は万全だよなぁ。
雪子とヨハン、危うく死にかける。

敵襲は2ラウンド目。潜んでいたマインドフレイヤーがサイオンアタックを開始。
一体がクリスにドミネイト・パーソン、しかし辛くも抵抗に成功する。防御に幸運を使い果たしているなぁ、これは。

一方、射撃の態勢が整ったDシーカーが全力で矢を放ち始める。APをもつぎ込んだ三射が全弾命中。ダメージロールも高レートをたたき出し、まさかのアーティファクト完全破壊。
なんてこったい。Dシーカー、今日はキミの日だ!

アーティファクト、「マインドサンダー」とのリンクの影響でバックファイアを受けたマインド・フレイヤー共。
タコ頭がスタンしている間に、一体はクリス&サイレンが撃破。
スタンを免れた一体も、ホールに展開した冒険者の一斉攻撃を受けて、ズタズタになって奈落に落下して言った。

■オージル・シークス
正気を取り戻したコルソスの守護竜は、感謝の言葉とともにささやかな贈り物を申し出る。
冒険者は、慎み深いルールプレイもそこそこに、ホクホクとお宝を受け取る。
白の竜は語る。世界の異変の事、迫る脅威のこと。
異界より招請された戦士は、吉兆なのか凶事なのか。
まさに、物語は動き出したばかりなのだ。

竜はクリスに幻視を与えた。
砕かれた大地、高き峰峯、聳えるのは巨大な秘操兵の影。そして、その前に立つのは行方不明の兄の姿。
ゼンドリック。そこにクリスが求める全てがまっている。
クリスの気は逸った。

■オーシャンクルーズは事件の予感
コルソス島に平和が訪れた。
凍り付いていた港は開放され、停泊していた船は再び航海に赴く。
そのうちの一隻の船上に、冒険者一行の姿があった。向かう先はストームリーチ。
この豪華客船は、コーヴェアの造船所を出航後、お披露目のためにストームリーチに向かう途中、今回の奇禍に遭ったそうだ。
二つの氏族が多大な資金を投入した、大々的な事業なのだろう。複雑怪奇なストームリーチの利権争いの一端が、このような姿をとって目前に現れているのだ。
「面倒なことに巻き込まれなければ良いが…」
そう思うとクリスは、快適な客船のたびを素直に楽しめないで居た。

*1:この人は能力がパッシブなものばかりで、この辺は設計者の性格だよなぁ