狼の口 ヴォルフスムント 2巻 (ビームコミックス)

狼の口 ヴォルフスムント 2巻 (ビームコミックス)

誰得漫画。ひたすら悲惨で、酷い目に遭い続ける人々を、オムニバス形式で連載とか。仕舞いにゃ、語り手と目されてた人物までも。惨し。
タブーがねぇなぁ、すげぇ。予想の向こうを行ったよ。

凄いんだけど、好かない。天才は認めるんだけど、嫌悪が沸く。ってー作家に山本直樹と言う人が居る。読むと引き込まれる、確かに面白い、しかし気分が悪い。と言う漫画を描く人。
んで、この漫画はその山本直樹ともまた違うんだなー。もっと肉的と申しましょうか。残酷拷問ショーの様な、好奇心と忌避感と言いましょうか。
しかも、無残に死に絶える人々の様に、オレ自身、奇妙なカタルシスを感じている節がある。ああ、今回も代官はいい仕事をするなぁ、みたいな。冥いよろこびだな、おい。
や、特に残酷描写が凄いと言う漫画じゃないんだよ。ひたすらに非情で無情で、理不尽なだけで。ただもう、救いが無いだけで。
次巻あたりで、お話しが動きそうではある。ラストで、すわ、いよいよスイス独立か。ってーな流れを匂わせていたから。
あー、でもなー、あの関所の代官だけは、人の心を持たない文字通りのヒトデナシのあの男だけは、どうやっても死なないような気もするなー。