D&D、【〜昇華の竜〜】


■前回までのあらすじ
八つのエレメントによって構成される「世界」。
「世界」の危機に応じて、異世界から英雄を招来する機構「城」。
「城」によって顕れた異世界の戦士は「魔法騎士」と呼ばれた。
肥前脱藩浪人、獅門稀人(シモン・マロード)は、エレメントの一つである「剣」*1によって選ばれ、この異世界に飛ばされてきた「魔法騎士」である。同じように様々な世界から来訪した仲間達とともに、救世の冒険を繰り広げる事となる。

三柱の創造神は拡散し、世界は変容のときを迎え、それを狙って邪悪なる者共が多数次元を超えて終結していた「世界」。
幾多の危機を乗り越え、シモンと「創世の八器」に選ばれた英雄たちは、とうとう最後の戦いの場へと至った。
場所は「白き月」。
狂気次元より現れた強力な邪悪、デルキールのヴァリングラスは「粘体の王」の異名のとおり、法神グロリエルを象徴する「白き月」との文字通りの同化を果たし、もはや彼が画策する次元侵略は最終段階に達していた。
邪悪な企みを砕かんと英雄は月面に飛ぶ。しかし、月面で英雄たちを待っていたのは、時間と空間を越えた愛憎と因縁の再会であり、また、救いでもあった。

英雄たちを取り巻く因縁因果は解決を見た。
あとは、ヴァリングラスを倒すのみ。
敵 は 月 中 心 核 に あ り !

■ムーンステージ
シモンの全力攻撃で、月中心核に達する大穴が開いている。
ただ一人、先に大穴に身を躍らせるドライセン*2
神格への道を選び、最初の一歩を踏み出したケンドール*3は、アセンションストーンに取り込まれてしまった。
また、不意を突かれたエリティア*4は(イベントシーンで)粘体の触手により、月内部に引きずりこまれてしまう。
後に残されたのは、Mr、PC1のヒモリリョウとヒロインのナオコ。何故か意識を取り戻さぬナオコを抱きしめ絶叫するヒモリ。
一方、カデッサ*5は姉であり師匠であり、恋人でもあるレイシーアを敵の手から取り戻すが、レイシーアの受けた傷は深い。
そしてオレ、シモン・マロードは途方にくれていた。出来ることがなさそう。いや、実際に何が起きているのか状況把握に困る。
同じく無事だった、符術拳士のギャラハン*6と転移能力者のパレッタ*7を伺い見る。
すると、ギャラハンは空間の一点を凝視している。みれば、何者かが転移をしてこようとしているのだった。

■CG回収イベント
粘体で満たされた月内部をゆっくりと沈降していくエリティア。
次元転移は阻害され、魔法を用いた他の脱出の試みは全て失敗におわる。
やがて、呼吸の出来ない粘体のなかで、エリティアは気絶した。

■フォーリン ミー トゥ ザ ムーンコア
最終回だけれど、ドライセンの中の人が都合でオヤスミ。よって、ドライセンの活躍はムービーシーンのみとなりました。
がんばれドライセン!いろんな意味で!

■少女二人
月面に転移してきたのは法神グロリエル、とおにも満たない少女を伴っている。ギャラハンは少女を仲間の神官アイリス*8だと直観する。
グロリエルかく語りき、曰く少女は、ナオコと同一存在であると。ナオコ*9が次元踏破の際二つに分かたれた魂の片割れなのだと。
ギャラハンはコインを使い、二人の少女を元の姿に戻す。目を覚ますナオコ。驚喜するヒモリ*10
ナオコが月フォートレスに干渉し、月匣への入り口が開いた。

アセンション (A列車Ver)
アセンションストーンに取り込まれたケンドールだったが、その内部で無数の魂に出会う。ヴァリングラスたちは多くの常命の者の魂をアセンションストーンにたくわえることで、それをエネルギーとして利用していたのだ。
開放と脱出の必要性を、その内部でケンドールは魂たちに語りかける。そして自分に協力してくれればそれは可能なのだと。
ケンドールは神格として来たるべき新世界の希望を提示し、彼らを必ずそこに導くと約束する。
魂たちの前で奇跡を行い、自身の神格としての能力を証明する。
そして、ケンドールに共感し、ケンドールに従うことを決めた魂たちが、ケンドールの周囲に集まって、それをケンドールが受け入れたとき…。

アセンションストーンの前でケンドールのことを案じる一行。
その一行の前に、ディヴァイントレイン*11がブレーキ音を響かせて停車する。列車を見て、口をあんぐりとあけるヒモリとナオコ。
プシュっというかすかな駆動音とともにドアがスライドしケンドールが下車してくる。
かつてプロメテウスがしたように。ケンドールは人類に電車(ライトニングレイル)を与えた神になったのだ。*12(オレ呼んで電車神。<「おいヤメロw」 きっと御使いは顔の付いた機関車。<「だからヤメロwww」)

月は無慈悲な夜の女王
月匣の奥深く、月の中心で待っていたのは、ヴァリングラスとエリティアだった。
ヴァリングラスがエリティアに促す「ほら、お前の仲間がやってきたぞ。手厚くもてなしてやれ」
ヴァリングラスの傍らに立ち、ボンテージ風ドレスを身にまとったエリティアは一言も発することなく呪文を放つ「ディシプロカルジャイア」
呪文はケンドールを捉える。意思抵抗も許されぬ、呪文使いにとっては致命的ともいえる術は、しかしケンドールのスペルターニングでエリティア自身に跳ね返される。
絶命するエリティア。しかし、ヴァリングラスが即座に再生する。「ふん、やくたたずが」

「ところで」。ケンドールの中の人が問う。「DMはエリティアに、操られているなんて、一言も言ってないよな?」
そ言やそうだな、エリティア自身何の抵抗もしてない。何の躊躇も無くPCに向かって攻撃したね。
…。
……(えへ?)

「っヴァリングラス!」シモンが吼える。目前のデルキールによって、無残な姿に変えさせられた友の姿が記憶に甦る。
やつの前に立つために、オレは文字通り空を越えてやって来た。
一気に跳躍する、抜天丸が閃く。172+3d8+8d6ダメージが五回、デルキールは死亡した。
しかし、今のヴァリングラスは、月と同化し、神をも体内に取り込んでいる。即座に始まる復活。
「今のうちだ!オレがコイツを殺しているうちに、フォートレスコアを探せ!」
最後の戦いが始まりを告げた。

■コアストライク
最初に気付いたのはギャラハンだった。
「来るぞ!真下だ!」
粘体のプールのそこから浮かび上がる様に現れたその巨体。
それは暗黒の輝きと、不定なる粘体のよって構成され、狂気の異神をも取り込んだ悪夢の具現。
フォートレスコアは、ドラゴンの姿を以てその身を顕わした。

周囲にはぶくぶくとあわ立つ粘体。コアからあふれ出したソレらの立てる音は、なにやら呪文のようにも聞こえる。異神に詳しいエリティアが知る、そして叫ぶ。これは、この神は、ア○トゥー…。
その瞬間、その名を耳にした全員が発狂した。このままでは全滅するので、パレッタが「鍵」を使って事象に干渉し、名前が発声されなかったことにした。
エリティア、最後までこの子はまったくもう!

ケンドールは秘術を以て巨大化する。その大きさは、目前のフォートレスコアに匹敵するサイズ。さすが神。
ここ、月の中心で、世界の命運をかけて、壮絶な死闘が始まった。

もうね、見るからに壮絶。

シモン跳躍。1200を超える被害をコアに与えた。しかし、機会攻撃で519点のダメージを受けた。残りHPは19点。
というか、この敵BABが300オーバーとか言ってんですけども。
え?HPは3000を超えているって?(38000点)

パレッタがナオコ=アイリスを促す。「あなたには、あなたのできることがある筈。あなたが私の知っているアイリスならば、こういう場面で必ずミンナを救う大事な役目を果たしてきたから」
こくりとうなずくナオコ=アイリス。パレッタの支援で割り込み行動。中立神サーラリンクを招来する。
サーラリンク「この世界にあなたのいるべき場所はありません、さあ、ともに行くのです」
サーラリンクは「名前を言っちゃったら大惨事な神」を連れ去ってくれる。

カデッサがコアの前に立ちはだかる。キーパーとしての能力を放つ。フォートレスコアのHDが20以上失われる。

ヒモリが風の「ケープ」の力を解き放つ。全員の反発ACが+20され、ディスプレイスメントが付与される。

ギャラハンは空中にあって、コアの頭部に取り付き、気弾を渾身を込めて打ち続ける。

エリティアはウィッシュを唱える。全員のHPが全快し、全てのバッドステータスが取り除かれる。

シモンは再び跳躍する。抜天丸は置き、この世界に来て初めて手にした刀、それ以来この最後の戦いまでずっと共にあった刀、アダマンティンの刀「質女房」を引き抜き、再び突撃する。

ケンドールが全力で攻撃する。レイスストライクにより、全部命中。さらにはセレィティをキャスト。回復する暇も与えず、止めを、刺した!

■デルキールのヴァリングラス
創世の三柱の神、混沌のファルガースの肉体をのっとったヴァリングラスだったが、彼自身もファルガースの影響を受けることとなたらしい。
神の肉体を失い、自嘲気味にデルキールが笑う。
今の彼は、エリティアの身に着けたボンテージドレスという擬態を解いて、せめて生き延びようと最後の足掻きを行おうとしていた。
「すまねぇなエリティア、弔いはきちんとさせてもらうよ」
エリティアがうなずく。
「はったりだ!この女ごとオレを斬るだと?そんなことできる訳が…、出来るのか!」
「…、馬鹿が」
質女房が一閃する。「友よ、見てくれたか?」
ヴァリングラスは絶命した、今度こそ。
エリティアには傷一つ付かなかった。

■Higher Than The Sky

世界の再創世が始まった。
八つのエレメント、無、有、善、悪、火、風、水、土。
三つの隠されたエレメント、時、死、そして愛。
一つの生命を表す対極、男と女。
宇宙の中心で、世界誕生の儀式が行われる。
その光景を見届けながら、あるものは新世界に還元され、あるものはあるべき世界に還り、あるものは世界を護るためにそこに留まった。
古き世界は刷新され、新しき世界が新しい物語を語られるのをまっているだろう。
だが、今はまだそのときではない。
今はただ、その身体を休めるときなのだ。

ともかくは、DM様、お疲れ様でした。
10数年にわたるキャンペーンワールドの終幕に立ち会えて、オレは幸運でした。感謝感謝です。

他の参加者の皆様も。
そして、今まであの世界でともに戦った人全てに。
実在、非実在を問わず(笑)
感謝全力です。
本当にありがとう。

あまたのオレの分身たちにもありがとう、楽しかったぜ!*13

*1:剣が象徴するのは「力(フォース)」。無に対する有、0に対する1、混沌に対する秩序。

*2:ウォーフォージドの戦士。世界の防衛機構たるガーディアン。そもそも彼が、宇宙絶対防衛線でヴァリングラスに破れ、黒の月「ファルガース」を砕かれてしまったことに、今回の世界の危機は端を発していたのだ。<PL談。(GM:「そーっだったのかー!」)。

*3:特殊部隊「ダスクブレード」所属の士官。少尉。最近はディヴァインLv0を手に入れ、神格の資格を手にした。前回のラストで信者第一号をGetして、その道は順調である(笑)。常に、光り輝く力場の鎧を身にまとい、敵に相対するに当たっては、身長20mの巨人へと変化する。まぁ、ウルト○マンだと思っていただければ、おおむね間違いではない。生命を象徴する「アンク」の担い手。

*4:アーケインメイガス。悪を象徴する「指輪」の担い手。英雄一行随一のトリックスターであり、意外性だけだったらNo1である。シモンは彼女に色々パ−マネンスしてもらっているので、頭が上がらないのだけれど。

*5:キロ−レンのウーイァン。世界秩序を監視する「キーパー」の使命を持つ。「創世の八器」の取り扱い監督責任者であり、世界の外なるものを退散させる能力を持つ。魔法の力は一行随一、つまりは世界に並ぶ者とない大魔法使いなのだが、本人の押しが弱いせいかちょっと地味。設定は濃いんだけどなー。

*6:朱雀門派の魔術拳法使いのウルフビーストマン。善を象徴する「コイン」の担い手。最近、伝説にいう古の英雄が落っことした、善の人格の具現であることが判明した。以前は魔法を用いた高いACが自慢だったが、D&Dはこのレベルになると平気で80ACにだって命中させてくるの困っている。

*7:ナイトユニコーンのスカウト・クレリック・マーシャル。無を象徴する「鍵」の担い手。彼女の種族はDMオリジナル。種族Lvを上げていくと、割り込みでディメンジョンドアが使えるようになる。それに加えて自称干渉能力を有する「鍵」を所持しているため、彼女こそがパーティーの安全装置となっている。シモンの命があるのも彼女のおかげ。あと、やけくそ気味に魅力が上がっており、彼女発するマーシャルオーラは、意思セーブにアホほどもボーナスを与える。

*8:人間のクレリックで、ガーディアンの女性。事情により、キャンペーンには途中から不参加となってしまう。子供の頃の記憶が無いという設定だったが、こういう風に使われようとは…。

*9:ファー・ジ・アースからやってきた強化人間。「指輪」の担い手。心を失っており、ヴァリングラスの操り人形と化していた。

*10:ファー・ジ・アースからやってきたナイトウィザード。クラスは勇者。風を象徴する「ケープ」の担い手。

*11:この時に産まれた造語。D&Dのルールブックを探してもこの記述は何処にも無い(筈)

*12:このことでケンドールはディヴァインレベルが1となり、晴れてレッサ−ゴッドとなった。キャンペーンが終わって、エンディングで神になるならともかく、ラスボス戦直前で神に覚醒とか、大概なもんである。

*13:ドラコンレンジャー、アーデルケイン。セージ、アラン・ロゼブール。「片目」のフォックス。不幸なる盗賊術師、ロビィ・モーショウィッツ。うかつな女「スティルリーフ」こと、レニ・リーフェンシュタール双剣の聖戦士「光る廻る」マシュウ・クランド。ワルプルギス「恋する乙女」ハンナ・ウェルナー。ファルクラス親衛隊長、「クソジジイ」マルコ・ホーエン。「古本屋」JB・キンケドゥ。そして「素浪人」シモン・マロード