熾火

熾火

読了の43

このあいだ(っても結構前だ)「墜落」を読んで、其処の登場した幸恵ちゃんの、出会いの事件をもう一度読み返してみたくなり。

他者を苛む事に、個人的な喜びを見出すという人間は、本当に居るらしい。
「人間を殴るのが好きな奴は居るよ。そういう奴は、殴れる人間を見つけると、絶対手放さないんだ。オレは戦争でフィリピン行ったから良く知っている」てな、タクシーの老運転手の大田さんのセリフがあったり。
多分、そういう人間が「悪」と言うものなのだろう。
そして、その「悪」なる人間に。本来なら社会の構成要素となる資質に決定的に欠けている、その異物に。まがりなりにでも居場所を与えてしまう行為を、社会の「闇」と言うのではないだろうか。
このお話は、そんなお話。

事件は大きくて、全容はこのエピソードだけでは把握できない。
他のシリーズ参照の事、なのである。
そういや、ススキノハーフボイルドは読んでないなー。どうするかな。