彷徨(さまよ)える艦隊〈2〉特務戦隊フュリアス (ハヤカワ文庫SF)

彷徨(さまよ)える艦隊〈2〉特務戦隊フュリアス (ハヤカワ文庫SF)

読了の25

軍隊ってのは組織であり、つまりは人間の集団というわけだ。すなわち部隊運営、艦隊運営などというものも、近視的には人間関係の手当てに過ぎない。政治という奴だ。
ゆえに軍人の中には、人心の誘導や人集団の掌握に特化した才が生まれるものらしい。
今回の主人公の敵、アライアンス艦隊司令官ジョン・ブラックジャック・ギアリーの敵は、そういった政治力だけは高くて作戦立案作戦指揮はさっぱりという、典型的な上級仕官だ。
そんなやつ、だれだって頭を抱える。

敵は無能ではなく、勇猛果敢悪辣非道。
司令官は孤独で、隊内には常に反乱因子が潜伏中。
さらには、百年続く戦争を演出し続けている影と、その超テクノロジー
ああ、目指すははるかなり故郷よ。
艦隊指令閣下はまじめな分、心休まる暇もありません。せっかくできた恋人も、全面的には信用できないんだものなー。