賽子の国の魔法戦士


読了の3.
ソードワールドRPG・リプレイの短編集。作者は、友野詳山本弘水野良。書き下ろし等はなく、雑誌掲載のリプレイ記事を集めて、一冊にまとめてみましたー、見たいな。落ち穂拾いの如き。収録作品に全く関連性がないし。

一本目、友野詳。それこそ、すごい過去の作品を漁って来ましたよ、初掲載はRPGマガジン、後にコクーンワールドとして展開された物語の原型の話。おう、RPGマガジンで読んだな、これ。懐かしい。
友野詳、これがデビュー作。ファンにとっては抑えておきたいポイントでは有ると思うけど。
弘司のイラストは書き下ろしだよね?雑誌の時はヘロヘロで雑だった。
や、しかしですよ、この導入は強引で素晴しいですねぇ。今やったら、ボコボコにされちゃいます。清松みゆき辺りに。

二本目、山本弘。R&Rの特集記事の文庫本化。や、僕はコレが読みたくて買いましたのことよ、この本。
サーラの冒険に出てくる、悪の組織の改造人間がPC。モンスターの視点で物語るのは山本弘の特徴とされてんますな、ハイ。
の割には普通のダンジョンモノで戦闘多目。も少し叙情的なシナリオかとも思っていたのですが、コレはコレで良いけど*1
イラストは田口順子。コレはうれしい、思いがけないプレゼント。
表題の「絶対危険チルドレン」は、言わずもがなのアレだよな?

三本目、水野良。文庫の表題作、魔法戦士リウイのキャラクターを使ったプレイ。JGCのイベントの一環。
前日寝てません、シナリオありません、今も二日酔い気味です、ルールちゃんと覚えてません。
コンベンションにおけるNGワードのフル装備。これは、JGC参加者の忍耐の物語だな、クリアすると寛容の徳を積む事が出来るのかもしれない。
とてもプロの仕事とは思えない。
だが、逆に考えれば、良い教材かも知れず。GM諸氏には是非ご一読を、特に初心者GM。
小説のアイディアをシナリオに流用*2、は良いんだけどなぁ。ゲーム的な膨らまし方*3と、落とし方*4ってのがすっぽりと抜け落ちていて…。
JGCのイベントだからプレイ時間は4時間?もしかしたら3時間かも*5。時間枠内でのマスタリングは経験の量がモノをいいます。コンベを巡るGM*6なら骨身にしみている事だが、作家先生には無理だろう。
水野良のGMとしての腕にもがっかりしたが、企画としても失敗だったねぇ。リウイ公開リプ*7

*1:スチャラカの頃から、プロットの構造は単純だったよな。GMとしてはこんなもんかも知れず。

*2:コレすらも本当はオススメできないのだが。企画の前提条件なのであろうな。サイドストーリーあたりでお茶を濁せなかったものだろうか…。

*3:他国の諜報員を、競争相手としてだす。とかどうだろう。

*4:少なくとも、推理だけしてもらって、答えもなしにサヨナラってのはあんまりだよな。

*5:SWだったら最低4時間はほしい。PLがルールを把握している事を前提に。

*6:個人的に勝手に「サーキット・ライダー」と呼んでいる。脳内でw

*7:それを更に文庫にしたのが致命傷になったわけだ。