安全

全国安全週間なるものがあるのをご存知か?
なんでも昭和3年から毎年行われているものなのだそうだが、音頭は厚生労働省
期間は7月1日から7日まで、六月は準備月刊とされている。
何を準備するかといえば、標語とかポスターだ。
ポスター。ポスターですよ。絵を描かされるのです、安全の。
小学生かっての!
アホかっての!
でもそんなことは思ってはいても口には出せません、なんせ戦前からあるイベントなのですから。
うちの会社は各課毎にポスターなり標語なり選考されて、評価の対象になるしねぇ(笑)

さて、ここからが本題。
いつの世もオタクの種は絶えない…いついかなる時、何処であろうとも、オタクは居るのだ。

かくなるポスターを作成するに当たって、人材の選出は速やかに行われた。
今年は幸いにも、派遣社員の中に見た目にも、そして実際にもオタクである男が居た(最近はアキバ系って呼ぶんだね)
毎年、毎年。何処かの課からの出展ポスターに必ず混ざるアニメ絵*1。今年は私が所属している部署からそれが出ようとしている…。

時は夜勤の最中、事務所で大きな紙とポスカとに格闘している男に僕は声をかけた。
「・・・がんばってい居るじゃないか。」
(周囲にはためし描き、図案、習作などが書き込まれた紙片が散乱していた)
「・・・プレッシャーを。かけられているんですよ。」
ああ、いつだってそうだ。普通の人間には、マンガとイラストの差だって解かりはしない。チョット素養があるとなれば嬉々として押し付けてくる。しかも「こういうの好きなんだろう?w」と、恩を着せんばかりに。
ふと見ると、落書きの中にGP02を発見する。
「上手いじゃないか?」
「メカのほうが得意なんですよ。」
「ふ、ん。ならばいっそのことガンダムでポスター描いちまえよw」
そういや今までメカを描いた奴は居なかったナァ。
「赤ザクとかどうだ?そうだなコピーはこうだ
『ヘルメットが無ければ即死!全国安全週間。』
どうだ?通常の三倍だぞ!*2
「いしかわさん。」
「なんだ?」
「…版権モノは禁止です。レギュレーションに明記されてます。」
知っていたさ。だがやりようはあるだろう。
だが僕はそのことを彼に強く勧めることはしなかった。
ただ一心不乱に、ゲーム風美少女のアニメ塗りに没頭する彼をそおっとしておくことにて、僕はその部屋をあとにした。
なんというか、傷つく事を恐れない若者だなあと、思いはしたのだ。コレが若さか*3

ちなみに、僕は去年描きました。入賞賞品は結構良いものでしたよ。

*1:去年はテニプリがありました、よその課だけど。

*2:意味不明

*3:それはもういいっちゅねんw